星の光と星の闇・4
「んっ・・・・うっ・・ぅんんっ・・・」
輝二は、仮面の男から先程から、もう何回目になるか分らない、色々な意味での熱い口付けを受ける。
口付けの度に、男の口から舌と一緒に輝二の体へと流れてくる闇のエナジーが、輝二の体の中で光の力と反発し合い、輝二の体は熱を持ち、なんの意味があるのか分らないが、男の舌が輝二の口内でねっとりと動き回る。それを数回繰り返された頃には、輝二の体はすっかり力が入らない状態になり、頬を紅潮させ、ぐったりと寝転がる様に、傍に生えている大木に背中を預けて、肺を大きく動かし荒い呼吸を繰り返している。
仮面の男は、輝二の傍に跪いたまま、輝二の様子を見て、輝二の体の様子が落ち着いた頃に、輝二の後頭部と木の間にそっと手を差し入れ優しく輝二を起こすと、空いてる方の手で輝二の顎を捕え口付け、また闇のエナジーを流し込んで来る。先程から、それの繰り返しだった。何回目かの仮面の男との、様々な意味での熱い口付けから解放されると、男と自分の口を結ぶ銀色の糸が出来ていた。仮面の男が輝二の唇に触れて、そっと親指で糸を切ると、仮面の男は、その親指を一舐めする。
「徐々に慣らして行けば良いから・・・・」
仮面の男は輝二の頭を再び木に寄り掛からせると、紅潮した輝二の頬にそっと手を添えて優しく言う
虚ろな瞳で仮面の男を見上げながら、どうしてこんな事になってしまったのか、
朦朧した頭を働かせて記憶の紐を解く
「もう一つの方法は・・・」
仮面の男がそう言うと、暫く黙っていたのに痺れを切らした輝二は、
「なんだ?勿体ぶらずに言え」
憮然となり言う輝二を男は仮面の奥の瞳でジッと見つめると
「光の力と闇の力を交えさせると、光の力は相反する闇の力に反発して、君は今よりは強くなれるよ」
「光と闇の力を交わらせるにはどうすれば良い?」
仮面の男の言った事に具体性が無いので、輝二は、普段通り無愛想に訊ねる。
「答えても良いけど、君は光の力と闇の力を交わらせる気はあるのかい?」
「ああ・・・それで強くなれるんなら、なんだろうとやってやるさ」
仮面の男の試す様な視線に対し、輝二は静かにだが、決意を確かにした目で男の目を正面から見据えて言い放つ
「分った。それじゃあ・・・」
仮面の男はそう言うと、輝二の手首を捕え、再び顎に手を添えると、輝二と口付けをした。輝二は先程と同様、余りに突然の事だった為、大きく目を見開く、だが、先程された事もあり、僅かながらに抗体が出来ていたのか、両目を硬く閉じると男の胸に両手を押し当て、男を突き放そうとするが、その左右の手を男の左右の手が捕えら抵抗する術を奪われると、男からの深い口付けを受ける。
「っ!!」
なんとか体を離そうと、身を捻る輝二を他所に男の舌が自分の中に挿入され、輝二は大きく目を見開く、舌が挿入されたと同時に、仮面の男の口から、輝二の口の中へと、舌とは別の熱を持ったエナジーが流れ込んで来るのを感じると、口付けから解放された。その時には、輝二の頬は僅かに赤みが指し、呼吸も僅かに荒くなり、自分の胸元に握り締めた白い手袋に包まれた右手を持って行き、動悸が激しくなり、体が熱を持っているのを感じた。
右足の痛みもあり、足元もおぼつかず、輝二は男の両肩に左右の手をそれぞれ置き、男を見上げる。
なんとか立っていようとする輝二を、仮面の男はお見通しなのか、輝二の腰に手を回し自分に抱き寄せる様にして、そっと支える。
「光と闇を交わらせるにはこうするしか方法が無いんだけど、さっきなんだろうとやるって言ったよね、ここじゃあ、不味いから場所を変えるね」
仮面の男は、足元のおぼつか無い輝二を抱き上げると、住宅街の外れにあった森の中へと入っていった。
「どうする?他に方法が無いけど、本当にやる?」
仮面の男は、森の中で跪くと、自分の手の中で横になっている輝二に問い掛ける。輝二は目を反らし黙って頷き答える。仮面の男は手の中の輝二が頷いたのを確認すると、輝二の顎を捕らえ、再び口付けをする。仮面の男は、屋根の上の時より、多く闇のエナジーを流し込んで来た。それにより、輝二の体の中が更に熱くなるのを感じた。仮面の男は、そっと輝二を抱き上げると、近くの太い木の根元に綺麗な落ち葉が敷き詰められてるのを確認すると、そっとその場に下ろした。
そして、今に至る訳だった。
「どうする?まだ続ける?」
輝二は、自分を見下ろして問い掛けてくる仮面の男を、朦朧とした瞳を男に向け、コクンと頷くと、仮面の男は、輝二のスカートの中に手を挿し入れた。
「ちょっ・・・どっ、どこっ・・・あっ!!」
仮面の男の突然の行為に、朦朧としていた輝二の頭も覚醒するが、仮面の男に、白いレースで縁取られた女物の下着・・・パンティに包まれた欲望を布越しに握られ、輝二は声を上げる。
「あっ・・・ああっ・・・んぅっ・・・あっ」
輝二は眉間に皺を寄せ、歯を食いしばり、白い手袋に包まれた両手で地面に生えた草を握り締め、嬌声を抑えようと試みるが、体をピクンピクンと捩じらせ、仮面の男の手によってもたらされる快感に途切れがちな嬌声を上げてしまう
「!!!っ・・あっ・・ちょっ・・どっ、どこ・・・触って・・・んぅ・・ああっ・」
突然男の手が、輝二の下着の中に挿し込まれた。
「なっ・・・やっ・・やめっ・・ろっ」
仮面の男が下着の中に挿し入れた手を輝二は掴むが、先程からのキスによって熱を持ち、グッタリとした体ではうまく力が入らず、輝二の手は男の手首を掴んだというより、添えられたに等しかった。
「君はやるって言ったよね、闇と光を交わらすって、だいじょうぶ・・・怖がらなくて良いから」
男は輝二の手をそのままに、輝二の欲望を握りこんだまま、そっと輝二の耳元で囁いた。その声は、最初の頃感じた落ち着きと、なんとも言えない心地良さとも懐かしさとも言える物があった。それと同時に輝二は、仮面の男に身を任せる事にした。
「ああっ」
男が囁くついでに輝二の耳の裏側をそっと舐めた瞬間、輝二は体を跳ねさせると、嬌声を上げた。
仮面の男は、そっと、輝二の下着の縁に指を掛けると、そっと膝元まで脱がし、白いパンティから右足を一本だけ抜いた。そして、仮面の男は輝二の欲望を直に触り丁寧に擦り出した。
「くっ・・んんっ・・・あっ・・・んぅ」
仮面の男の手の動きが徐々に早まってくると、輝二も嬌声を抑えきれなくなり、可愛らしい声を上げて、体を撓らせる。
「ああっん・・・やっ・・んぅ・あああっ・・・あああっん」
仮面の男の手の動きが加速し、性急になった。その時、輝二は、体を弓の様に撓らせると、白い欲望を男の手の中で吐き出した。
「はあっ・・ああああーーー」
輝二は、先程の口付け以上に体が熱を持ったのを、朦朧となった頭のどこかで感じ
「はあっはあっはあっ」
大きく肩を揺らして荒い呼吸を繰り返しながら、虚ろな瞳で自分の傍らにいる男を見ると、どこから取り出したか、分らないハンカチで自分の手を拭いているのが目に入った。
「!!!」
仮面の男が輝二の足を大きく広げ、その間に体を割り込ませてきた。グッタリと力の入らない体で、なんとか寝返りを打とうとするが
「だいじょうぶだから・・」
男は、そう呟くと、輝二の体をそっと抑えつけ、蕾に人差し指を宛がう、
この男の声を聞く度に、自分の中で光とは別の心地良さを輝二は感じていた。
「んっ!・・はあっ・・・・」
輝二の蕾に、一本指を忍び込ませてきた。初めての体験、本来とは違う目的での使役に、輝二は眉間に皺を寄せ、指の圧迫に耐える。だが、男の手は粘液質な物で潤っているのか、すぐに指を一本また一本と受け入れ、三本もの指が輝二の中に入り、指が抜き差しされる度に、ねちゃぬちゃと卑猥な音を立てていた。
「あっ・ああっ・・あんっ・・・・あああっ」
男の指が抜き差しを繰り返す度に、輝二は体を捻じらせ、嬌声を上げる。
「ああぁぁん」
指が突然抜かれると、
「行くよ」
仮面の男が、そう囁いた。荒い呼吸を繰り返しながら、輝二は男を見ると、ズボンのチャックは、いつの間にか下ろされており、中から仮面の男の欲望が顔を出していた。男は輝二に自分のを宛がい、輝二の腰の両脇に手をしっかり添えると
「あああああああっ」
一気に中に挿入した。輝二は今までで一際大きな嬌声を上げる。
男が律動する度に、卑猥な挿入音がして、輝二の嬌声が辺りに木霊した。
「あっ・・んっ、あああ・・・あっ・・うんっ・ああああん・・やっ・・あっ・・・・ああああああん・・」
男の律動が徐々に早くなり、輝二の散々熱を持ち感じやすくなり焦らされた体はもう限界だった。
「あっ、あ・・・も、もう・・・・だ、だめっ・・・だ」
「うん・・・おれもっ、だ・・・一緒に・・・いこう」
仮面の男の律動は、突然早くなり、余裕が無いと思われる様になって来た。輝二の白い手袋に包まれた両手は、自分の腰の両側に添えられている男の両手の二の腕を掴んでいる。
「あっ、あっ、あっ・・・・あああああああああああああっん」
輝二の体が限界まで弓なりになった時、男も輝二の際奥に達し輝二の中に闇のエナジーと、己の白い欲望を解き放った。
「はあっ」
輝二は自分の中に闇のエナジーと男の欲望が流れ込んでくるを感じ、顎を仰け反らせる。
「はあっはあっはあっ」
肩を大きく揺らし、呼吸を整えようとしている輝二、その体の汚れた所を、仮面の男は、綺麗に拭き取り終え、輝二を見ると、行為によって流し込まれた闇のエナジーが自分の体の中で蠢き、意思とは関係無しに、四肢をピクンピクンと小さく跳ねさせながらも、輝二はなんとか目を開けようとするが、目蓋が重いらしく、必死で眠気を抑えているのが伺えた。
「今はゆっくり休みな」
仮面の男は、そっと輝二の前髪を鋤きながら優しい微笑を口元に浮かべ言うと、輝二は余程疲れていたのか、その言葉が止めになったのか、深い眠りに落ちた。仮面の男は、そっと輝二の頭を持ち上げると、自分の膝の上に乗せた。