二人だけの戦争・14
二人の顔に穏やかな表情が浮かび、自然と居心地の良い空気が流れ出すと、アスランは持ってきたショルダーバックをあさり
「キラ、これを使うと良い」
そう言って、バックの中からシートを取り出した。アスランの説明によると、このシートは敷いても掛けて使っても良い万能シートらしく、野営時には重宝するものらしく、それをキラに手渡してきたが、アスランが自分のを出さず、更にバックの中にもう一枚入っているようには思えなかったので
「アスランの分は?」
「俺の事は気にしないで良い、大丈夫だから」
穏やかな顔でシートを差し出すアスラン
「僕の方こそ良いよ。アスランが使いなよ」
シートを差し出すアスランの手を払いのけて、押し返しながら言うキラ
「俺の事は良いって」
「僕は良いからアスランが使えば良いだろ!」
二人ともお互いを思いやる余りに押し問答に段々と熱が入ってきた。
次第にお互いに膝立ちになり、相手に押し合いをするようになるが、ナチュラルのキラがコーディネーターのアスランにかなう筈も無く
弾みでアスランがキラを押し倒しそうになる。
「わあっ!」
「危ないキラッ!」
アスランはキラの上に倒れこむ形になりながらも、下が岩肌だったのを思い出し、倒れるキラの後頭部に右手を差し入れた。
「いたたたっ」
自分の下で横たわるキラの様子を見る為に、キラの胸元にあった顔を持ち上げ上体を起こすと、痛そうに右目をつぶって顔を歪めているキラの開いている方の左目と目が合ってしまった。更に自分の右手はキラの後頭部に差し込まれていて押し倒しているような状態の現在。今更かもしれないが、顔が赤くなっていくのが抑えられないアスラン。
キラもアスランと目が合ってから、押し倒される形になっているのを確認して、自分を見下ろすアスランと目が合って、顔を赤くしているアスランに釣られて顔が赤くなるのが分かる。
「キラ・・・」
情事特有の低く甘えるような声を出して、顔を近づけてくるアスラン。
「アッ・・アスランッ・・・」
慌ててアスランの胸に両手を当てて、押し返そうとするが、アスランの空いている左手で利き腕である右手首を捕られてしまう。無事な方の左手だけでは自分の上に乗る相手を押し返す事も出来ず。アスランの顔が間近に迫っていた。
「アスラン・・・や、やめっ」
辞めるよう口に出そうとしたが、アスランの後頭部に差し入れられた右手をググっと引かれて、顔を引き寄せられて口を塞がれてしまう。
「んっ・・・んんぅ・・・」
アスランの胸に押し当てられていたキラの左手は、アスランを押し返そうとパーの形に開かれていたが、今は拳の形になっていた。
角度を変えて、舌を絡めるような口付けに変化していくと、アスランの左手で押さえられた右手も、いつの間にかパイロットスーツのグローブに包まれた手同士で指と指が重なるように握られていた。
「んっ〜・・・んんっ」
長い長い口付けから解放されると
「キラ・・・」
アスランの顔が目の前にあり、甘えるような声色で表情で良いか?と聞いてくる。拒もうにもここで拒否されたら生きていけないと顔に書いてあるような情けない表情を見てしまうと、ついついアスランの事を許してしまう、その背に両手を回す。
そしていつの間にか脇に敷かれていたシートの上にアスランはキラを改めて優しく押し倒す。こんなアスランのさり気ない優しさが分かるから、キラもついつい今ままでのアスランの行いを許してしまう。
改めて唇を重ねるアスランとキラ
「んっ・・・んんっ・・・あっ」
深い口付けを交わしながら、アスランのグローブに包まれた右手はキラの頬に当てられ、髪や耳朶を撫で上げ、左手だけで起用にキラのパイロットスーツのチャックを一番下の腰の所まで下ろす。
キラのグローブに包まれた両手はアスランの両肩の前に添えられ、時折開いたり、ギュッと握りこまれたりを不定期に繰り返している。
「あっ!」
アスランの左手がチャックの間から挿し入れられ、中に着ていた肌にピッタリとフィットするインナーシャツの袖をいつの間にか捲くり上げ、キラの地肌に直接触れたのを見て、キラの体が跳ねる。キラの耳朶を舐めていたアスランも自分の下で跳ねたキラを見て、左手のグローブの指の先を口で挟むと、慌てた様子で外し、右手のグローブも左手で引っ張って脱ぐと、口にくわえたままだった左手のグローブと手に持ったままだったグローブを脇へと放り投げ、パサっという落下音が聞こえてくる。
そして自分を見上げるキラとアスランの目が重なり合った。
キラの鳶色の瞳は情欲を浮かべて潤んでいた。そして上半身を覆っていたパイロットスーツは腰のベルトまでチャックを下ろされて、前が肌蹴て、下に着ていた水色のインナーシャツも捲り上げられ、両胸の果実が露になっていた。改めてキラの体を見て、ゴクリと唾を飲み込むと、アスランはキラの右胸に吸い付いた。
「あああっ〜!」
キラの口から甘い嬌声が上がり、顎を仰け反らせて、体を弓なりにしならせる。
アスランは右胸に吸い付きながら、グローブを外した両手の内、右手はキラの左胸の突起を指の腹で撫で上げ、転がしていた。
「ああっ・・・ああんっぅ・・・アッ・・アスランッ!」
キラはアスランに胸の突起を口と右手で弄られる度に甘い声を上げ、体を鞭の様に撓らせた。
キラが甘い声を上げ、意識が快感に向いている隙にアスランは自由になる左手でまたもキラのパイロットスーツを脱がし始める。腰の白いベルトをカチャリという音と共に外し、今度は下半身のファスナーを下ろし始める。
そこにはインナーパンツの上からでも分かる位にキラのモノが起っているのが分かる。
アスランはパンツの中に右手を差し入れ、ギュッと握りこむと
「ああっ!」
キラが今までで一番甘い大きな声を上げて体を反らせる。
「キラ・・・」
アスランが耳元で低く甘い声で囁く。
「アス・・ラン?・・・あんっ!」
アスランの顔を見ようとしたが、アスランに耳朶を舐め上げられ、キラが再び快楽に両目を閉じて、顎を仰け反らせる。
アスランは右手だけでキラのインナーパンツをずり下ろし、起ちあがっているキラの肉塊に丁寧に扱き上げる。左手はキラの背中から回されキラの左胸に、唇と舌はキラの耳朶や右胸を舐め上げたり、甘く咬み、キラをドンドン快楽の海へと沈めていく。
キラの肉塊を律動させるアスランの手の動きが徐々に早くなっていく。
「ああっ・・あああっ・・んっ!・・・あああっ」
その手の動きが早くなるのに合わせて、キラの声も甘さと大きさを増し、アスランの手の動きに連動するかのようにキラの体も大きくしなり、アスランの腕の中で体を跳ねさせる。
「あっ・・ああっ・・・ああああああっ」
キラが一際大きな声を上げると、アスランの手の中で盛大に白い欲望の液を解き放った。
「はぁはぁはぁ」
荒い息を吐きながら、アスランを見上げるキラ、どちらからとも無く微笑みを浮かべ、見詰め合い改めてアスランとキラは唇を重ねた。
不意にアスランが立ち上がり、キラから離れた。体を起こすのが面倒なので、顔と目だけを動かしてアスランの姿を追うと、3,4歩離れた所に置いてある持って来たショルダーバックをガサガサとやっているようで、こちらに背を向ける格好になっているが、すぐにアスランは戻ってきた。
戻ってきたアスランの手には小瓶が握られていた。キラの両足の間に腰を下ろすと、小瓶の蓋を開けて、人差し指と中指の二本をビンの中に差し入れ掬い出すと、その手からは糸が引いて、粘着質の物がついているのが分かった。
キラは両足を僅かに広げ、両目を固く瞑ると、両手をギュッと握りしめた。そういえば以前の情事の時に両手をキツク握り過ぎて、手の平を爪で切った時にアスランが凄く申し訳なさそうに謝ってきたのを思い出した。それ以来キラはベッドの上ではシーツや枕を握り締めたりしていた、幸い今はグローブをつけているのでその心配はなさそうだった。
キスもし、胸も弄り、射精もし、いよいよあそこを解するのだと思うと、キラはついつい身構えてしまう。ねっとりとした冷たい粘着質な液が付着したアスランの手が自分の股の間に差し入れられたのが、両目を瞑っている為、触感から分かる。
キラがパイロットスーツを着ている為だが、かと言って、この状況では全部脱がす。という事はナチュラルのキラの事を考えると、凍傷になる恐れがある為、脱がす事はしないでおいた。その為キラの蕾を視認できないアスランの指はキラの臀部の辺りを行き来するが、すぐにキラの蕾を見つけ、最初は入り口とその周りに念入りに粘液を塗り込む、次第にキラの蕾も解されて来たのが指先の触感で分かると、徐々に指を挿入れはじめる。最初は中指の第一関節まで、少しずつ慣らしていく、ちょっとずつ小さな挿入を繰り返し、中指を根元まですんなり飲み込むのを確認してから、今度は人差し指も挿入に加わる。そして三本の指がすんなり入る頃、キラの蕾から「にちゃぬちゃ」という卑猥な声が聞こえ始め、キラの口からも甘い声が上がる。
「あっ・あんっ・・んんっ」
アスランの指の動きに合わせ、キラの口からも声が上がる。時折声を抑えようと、歯を食いしばり耐える様がアスランを挑発するとも知らず。アスランがキラの蕾をキラ自身が焦れる位、ゆっくりと解したり、こういう所にもアスランの優しさを感じてしまい。キラの肉塊がビクンっと大きくなる。
キラは閉じていた両目を開けると、自分の顔を覗き込んでいたアスランと目が合う。
「キラ・・・もう良いか?」
顔を近づけながら真剣に聞いてくるアスランに、キラは顔を真っ赤にして顔を背けるが、コクンと頷き答えると、両目を瞑って唇を差し出すと、アスランが口付けをしてくる。角度を変えて口付けながら、アスランがファスナーを下ろしているの音が聞こえてくる。
アスランの肉塊がキラの蕾に宛がわれると
「キラ・・・」
両目を閉じ顔を背けてはいるが、コクンと頷いて答えるキラ。
「ああああっ・・・・・」
キラの口から甘い声が上がる。もう何度も体を重ねて慣らされていて、アスランがいつも丁寧に解してくれる為、挿入時には痛みよりも快感がキラの体を支配する。
「くっ・・・キラっ・・」
キュッと蕾を締め付けられ、アスランの眉間にシワが寄るが、それで丹念に中に高価なローションを塗りこんで置いた甲斐があってか、滑りが良く目も眩むような快感だった。
洞窟ににちゃにちゃという湿った音と
「あっ、あっ、あっ、あああっ!」
キラの甘い声が響き渡る。
「キッ・キラッ」
「アッ・・アスッ・・ラン!」
アスランの律動に合わせて、キラは体をしならせ、甘い甘い嬌声を上げ、時折濡れた瞳でアスランを見る。
アスランの律動が激しさを増し、キラの体のしなりも激しさを増す。
「アッ、アスランッ・・ぼ、ぼく・・もうっ!」
「ああっ・・・キラ・ッ・・一緒だ!・・・一緒にっ、行くぞっ!」
アスランの腰の動きにもう余裕が無く、激しい動きになっていく、アスランの何度かの強い突き上げに促されて、キラの両足がアスランの腰に絡みついて、グイっとアスランを引き寄せる。
「あっ・・ああああああああああああああっ!」
一際甲高い嬌声を上げて、キラは欲望を解き放った。アスランもキラの射精時の締め付けに促されて、キラの中に白い欲望を解き放った。
「「はぁはぁはぁはぁはぁ」」
二人は荒い呼吸を繰り返しながら、折り重なっていた。
目が合うと、お互いに微笑を浮かべ、お互いの頬に触れると、二人は目を閉じた。
この数ヵ月後、地球軍とザフトの終わり見えない戦争は突如オーブの介入によって、戦争は一応の終結を見た。これまで戦争に対して中立を頑な貫いて、戦争に介入する行為を一切行おうとしなかったオーブだが、新しく就任したオーブ首長による政策変更と、両者に対しての武力介入の折にはあるエースパイロットの存在が大きく、このエースパイロットだが、実はザフト脱走したコーディネーターではないかと言われている。このエースパイロットの駆るオーブ最新鋭のモビルスーツはモビルスーツの性能も去る事ながら操るパイロットの腕も一流で無類の強さを誇り、戦闘地域で戦闘行為を行う両陣営のモビルスーツを何機撃墜したか撃墜数が多すぎて定かになっていない、連合軍とザフト、両陣営共に、このパイロットの駆るモビルスーツと戦う事の損害を恐れたから、休戦に同意したという話もある位だった。尚、このエースパイロットを連れて戻ったオーブ非公式の組織に所属する特殊工作員は新首長の双子の弟と言う噂があるが、この噂の真偽の程は定かではない。
あとがき・はい、ようやく終わらせる事が出来ました。風呂敷も広げるだけ広げましたけど、最後は何とか無理やり畳む感じで畳みました。そしてこの回はアスキラでパイロットスーツでのエロが書きたいっという理由から、ここまで書いたお話だったりします。カガリのコスプレでのエロ、女装でのエロ、パイロットスーツでのエロっと考えてみたら、この腐った欲望の吐け口の為の連載だったりもします。ああ〜なんて腐った脳なのかしらと今更ながらに思っていたりします。さて、とりあえず、種で書きたかった事は一応かけた感じですが、この話も色々と番外編が書けたりする話なので、何かまたネタが出来たら書きたいと思います。お付き合い下さった皆さん、ありがとうございました。感想はBBS、またはメールで下さると、管理人喜んじゃいます。それでは失礼します。