二人だけの戦争・アスキラバージョン

 

「クソッ!一体今どの辺りを飛んでるんだ!」

地球連合ともザフトとも敵対関係にあるゲリラ組織に所属するゲリラ兵キラ・ヤマトは地球連合軍から奪ったスカイグラスパーの中で1人愚痴る。

連合軍の基地に忍び込んでこの機体を奪ったのは良いが、この機体はどうやらレーダーが故障していたらしく

更に機体を奪う際に連合軍の兵士に見つかり、慌てて地球軍の基地から飛び立った為、現在位置の確認ができず、キラはすっかり大空で迷子となっていた。

とにかく陸地を探そうと思い、下ばかり見ていたキラはザフトの輸送機の巨大な機影に気付くのが遅れた。

 

その瞬間、雲が切れた。

「ザフトの輸送機!」

一瞬驚きはしたものの、スカイグラスパーの機銃を使い輸送機を攻撃するキラ、しかし、敵も機銃を使いこちらを攻撃してきた。

結果は相打ちだった。輸送機が機体に致命的なダメージを受けて自分の登場するスカイグラスパーから離れていくのを確認してから

緊急事態を知らせるアラーム音が鳴り響くコックピット内でスカイグラスパーを懸命に操作していたが

「クソォォォォ!

結局、致命的なダメージを受けたスカイグラスパーでは飛行する事は不可能で、近くに見つけた無人島らしき島に不時着せざるを得なかった。

キラは機体に常備されているキットを取り出して、両肩に背負い、腰のホルスターに入っている拳銃を手に取ると拳銃を手に散策を開始する。

 

「無人島みたいだな」

島が無人島だと確信を深めるにつれ

キラはさっきのスカイグラスパーの中に入っていたキットの中にあった無線機を改造して味方に救援を要請するしかないかっと考えに耽っていると

 

「はっ」

どこかで機械音がした。

足音を忍ばせながらそちらに近づくと、すぐに

「モビルスーツ・・・ザフトか?」

機体のそばの崖の上で身を潜めていると、赤いパイロットスーツに身を包んだ男が現れた。

「ザフトの赤服っ!」

ザフトとも敵対しているゲリラに所属する身ならザフト、地球軍ともに相手の階級の見分け方は知っていた。

両軍の中でも特に要注意なのが、ザフトの赤服だ。彼らは士官学校をトップの成績で卒業しているだけあり、モビルスーツの操縦技術だけでなく、銃器の扱い破壊工作、更には近接での格闘術までのあらゆる面でエキスパート呼べるだけの技術を持ち合わせた人間だと聞いている。

「まともに戦ったら勝ち目は無いな」

不意を着いて相手から戦闘能力を奪うしかない、そう思って相手のスキを伺うと

 

(まだ銃を身につけていない)

相手を見る限り、銃を携帯していないようだった。

これはチャンスだと思い相手に近づこうと思ったが、相手と自分との間には急斜面の崖があり

どう頑張ってもナチュラルの自分では音を忍ばせて近づくのは無理だと思った。

 

(ええい、イチかバチかだ)

キラは思い切って、崖を滑り降りると、当然相手に気付かれた。キラは迷わず銃を相手に向ける。

 

辺りに銃声が響き渡る。

 

キラは訓練して身につけたクセが出てしまった。

まず最初は相手の近くを狙って撃って、極力相手を殺さないっという優しさから

最初の銃弾は相手の立っている位置のすぐソバに着弾

 

相手は咄嗟に持っていたカバンを投げ出し、物陰を目指し走り出す。

この時ばかり、さすがにキラも自分のクセを呪うが、

すぐに逃げる相手に次の銃弾を放つ、今度は相手の腕を狙うが相手が素早く動いていたのもあり、腕にかすった程度だった。

(クソッ)

内心毒づくが、相手のカバンから銃が飛び出しているのを見て、少し安堵する。

(相手は今銃を持っていない、仕留めるなら今しかない)

 

素早くそう判断すると、相手の隠れた岩場に距離を取りながらキラは近づく

「動かないで、僕は敵であっても殺したくは無いんだ。だから抵抗は辞めて欲しい」

キラはそう言いながら岩場の陰に近づくと、年齢は自分と同じ位の少年がナイフを持ってしゃがんでいた。

視線を見る限り敵対心はありありと言った所だった。

 

あとがき・とりあず、今回はここで区切ります。どうも新連載です。新連載です(二回同じ事を言った)ガンダムシードの設定をちょっと弄らせてもらい、パラレル設定で新しく始まった連載です。しかも18禁止連載です。しかしさすがに1話目にエロ描写挿入は無しの方向で行きます。っという無理でした。