終わった後に始まった事・2
あの出来事があってから数日が過ぎた。
太一が退院してからも、ヤマトは、何故自分が病室であんな事をしたのか気に掛かったのと太一に対して決まり悪くて、どんな顔して合えば良いのか分らず、家にこもり、家事をしながら一人考えに耽る日々を送っていた。
そんなある日の昼過ぎ
ピンポーン
ブザーが鳴ったのは聞こえたが、ヤマトは一人になりたかったので、居留守を決め込む事にしたのだが
ピンポンピンポンピンポン
矢継ぎ早に連打され、長く無いヤマトの気が持つ筈も無く・・・
バン!とドアを勢い良く開け、怒鳴りつけようとしたが、ドアの向こう側にいた相手を見て、ヤマトの口から吐き出される寸前だった怒鳴り声は止まった。
「よう、なんだよ、いるんじゃねえかよ」
「た、太一!ど、どうしたんだ?」
普段と変わりなく声を掛けてくる太一に、狼狽しながらも答えるヤマト
「いや、退院してから、一回も遊んでなかったからさ、遊びに来たんだけど、今忙しいか?」
いつもの笑顔を浮かべる太一、ヤマトは太一に笑顔を浮かべられ、頬を赤くなるのを抑え切れず、太一に気付かれまいと、すぐに顔を反らす。
「い、いや・・・い、忙しくは無い、ただ、考え事してたんだ」
「そっか・・んじゃぁ・・・今・忙しい・・のか?」
太一の言葉の歯切れが悪くなったので、太一を見ると、太一の笑顔に影が差す。
「い、いや!そ、そんな事無い!・・ぜ、全然暇だ!!」
気付いたら舌を噛みながらだが大声を出していた。
「あっ!だ、だから・・・あがってけよ」
大声を出して恥ずかしくなったヤマトは、慌てて声量を抑えて、太一を家の中に迎えるべく、扉の脇へと立ち位置をずらす。
「そうか、良かった。サンキュ」
ヤマトの答えに満足そうな太一は、再び笑顔を浮かべると、ヤマトの家に意気揚々と入って行く
「はぁ〜」
ヤマトに出された良く冷えた麦茶を一気に飲み干すと、太一は一息つく、目の前のヤマトは、依然として、俯いたままで、目を合わせれなかった。
「なぁ」
「・・・えっ・・あっ・・ああ・・な、なんだ?」
太一に不意に声を掛けられ、ヤマトは狼狽しながらも答える。
「やっぱ、迷惑だったか?急に来たりなんかしたから」
「い、いや、そんな事・・絶対ない」
自分の胸のドキドキに一杯一杯になり、太一に返事を返す時に言葉が詰まってしまう、というより、一緒にいれて、これ以上の幸運は無い筈なのに、どうしていいか分らず、ヤマトは頬を紅潮させ、俯いてしまう、ヤマトの様子が余りに普段とは異なり、明らかにおかしいの為、どうしていいか分らず、太一も戸惑ってしまい、ヤマトになんと声を掛けて言いか分らず、場に耐え難い沈黙が訪れる。
「やっぱ俺帰るわ、なんか・・迷惑みたいだし」
「い、いや・・・そ、そんな事無い」
ヤマトは、慌てて席を立った太一の白い手袋に包まれた左手を、ヤマトの茶色い手袋に包まれた右手が捕らえる。
「じゃあ、なんで?なんも言ってくれねえんだよ!?なんか言いたい事があるなら、言ってくれないと分かんねえだろ!!」
太一は背を向けたまま、ヤマトの先程からの、はっきりしない態度に、痺れを切らし声を荒げてしまう
「あ・・ゴ、ゴメン!」
ヤマトは謝りながら、顔を斜めに俯けてしまう
「どうしたんだよ?ヤマト」
太一は振り返ると、先程の怒りを微塵も感じさせない穏やかな様子で声を掛けてくる。
「なあ?」
そう言って太一はヤマトの顔の数センチ手前まで顔を迫らせてくる。ヤマトはそんな中でも、太一の口元につい目が言ってしまう、そんな中、太一の唇が動き何かを言っているが、ヤマトの耳には入らず、ヤマトはつい太一の唇に見入ってしまう、そして、気付いた時には、ヤマトは、掴んだままだった太一の左手を引っ張り、太一の唇と自分の唇を重ねていた。
ヤマトの口付けは最初は触れるだけの物だったが、すぐに深い物になり、ヤマトは太一の口の中に舌を挿入した。
「んっ・・・・ぅ・・・」
太一の吐息とも声とも分らない声がヤマトの鼓膜を振動させる。
ヤマトは角度を変えて太一の唇を味わい、挿入した舌で太一の口の中の熱さを感じると、ヤマトの心臓の鼓動がドキドキと大きく激しくなり、ヤマトの行為を加速させ、太一との口付けをより深くして、太一の熱く柔かい舌と自分のを絡め合わせる。
ヤマトが先程からなんの抵抗もしない太一を、残った理性のどこかで不審に思い目を開けて見てみると、
頬紅潮させ、目を固く閉じた太一だった。部屋にはぴちゃぴちゃと言った卑猥な水音が響き、ヤマトを煽る。
「んっ・・・」
暫くして唇を離して太一の顔を見ると、太一は頬を真っ赤に染め、頭が混乱しているのか、放心していた太一をヤマトは、床の上に押し倒した。
「・ちょっ・・・やっ・やまとっ・・んっ・」
太一は我に返るが、余りの事態に戸惑い、上手く口から言葉が出せず、瞬く間に唇をヤマトの唇で塞がれてしまうが、太一はヤマトの胸に両手を当てて押し返そうとするが、上に乗っているヤマトは体重をかけて、押し返されないように踏ん張る。
少しして、唇が解放され、上から見つめるヤマトの蒼い眼と太一の鳶色の眼が交わるが、ヤマトは自分の下にいる太一の肩に顔を埋め、囁くように呟いた。
「太一・・好きだ・・」
ヤマトの小学五年生にしては低い声で囁かれ、太一は背中をビクッと跳ねさせる。
(い、今なんて?・・・)
太一は余りに突然の事態とヤマトに囁かれた言葉によって混乱し、言葉を失っていた。
「ずっと、ずっと好きだった・・・お前の事が」
するとヤマトの息が太一の耳に掛かった。太一は再び体を跳ねさせ
「あっ」
ヤマトが耳を甘噛みしたので、小さな嬌声を上げてしまう、ヤマトは、太一の耳の裏側を舐めながら、舌を徐々に首筋まで移動させ、顎の下を通り、太一の唇まで戻し、再び太一に口付けをする。太一の白い手袋に包まれた両手がヤマトの背に回されるが、ヤマトは太一の手が背中に回った事を、僅かに感じたが、ヤマトの意識はそんな事を考える余裕は無く、ヤマトの茶色い手袋に包まれたが右手が太一の青いTシャツを捲り上げ、シャツの中に侵入する。
「あっ・・・んっ・やっ」
ヤマトの右手が太一の胸の突起を摘んだ瞬間、太一は体を撓らせる。太一の左胸を突起を右手で愛撫し、左胸の突起にヤマトは吸い付き、口の中で転がす。
「あっ・・・やっ、やまとぉ・・・んぅ・・ああっ」
太一は歯を食いしばり声を抑えようするが、ヤマトが両胸の突起を摘んだり吸い付いたりする行為は執拗で、ついつい声を上げて、体を撓らせて感じてしまう
「ああっ・・・やっ・・・やだぁ・・・そっ・そんな・・とこっ」
ヤマトは太一の腰の後ろまで手を回すと半ズボンを一気に脱がしたら、太一のすっかり立ち上がった肉棒が現れた。ヤマトは右手の手袋を外すと、太一の肉棒をぎゅっと掴むと濃厚な動きで扱き出す。
「あっ・・・んっ・・やぁ・・ああっ」
太一は、ヤマトの手によって、青いTシャツは既に両胸が露わになるまで捲り上げられ、ズボンは右足だけが通されているだけで、下半身は完全に露わにされていた。
ヤマトの手の動きが徐々に早くなる
「あっ・・やっ・・まと・・・ああぁ〜っ」
太一はヤマトの手が動くたびに、体を撓らせ甘い声をあげる。
「あっ・・ああぁ〜〜」
太一は絶頂を迎えた。ヤマトの白い手に太一の放った白い液体が付着する。ヤマトは脇にあるテッシュで拭い取る。その様を太一は両肩で息をしながら、虚ろな瞳だけ動かして見ていたが、すぐにまた体にヤマトが触れてくるのを感じた。
太一はグッタリとなり、全身の力が完全に抜けていたので、ヤマトの両手が自分の太ももの内側に触れ、自分の両足を広げていくのに抵抗どころか、成すがままになっていたが、下半身の最も触られたくない場所に触れられる感触に、意識が覚醒する。
「や!ヤマト!・・そっ・そんなっ・・とこっ・・あっ・・やぁっ・」
ヤマトの指の腹が太一の蕾を撫で上げる感触に太一は声をあげるが、ヤマトはお構いなしに太一の蕾に人差し指を挿入した。
「んっ・・・あっ・」
指の圧迫感と異物感に太一は眉間に皺を寄せる。
「だいじょうぶだから・・・太一」
ヤマトに耳元で囁かれ、体に電撃が走った様な感覚が迸る。ヤマトの指にはいつの間にかオイルが塗られているらしく、指が抜き差しされる度に、ぬちゅっという卑猥な音が部屋に木霊した。
「あっ」
いつの間にか三本に増えていたヤマトの指が、太一の体の中のある一点を掠めた瞬間、太一の体が跳ね上がり、太一が短い嬌声を上げる。太一の反応を見ていたヤマトは、その場所を執拗に攻め
「あっ・・やっ・・やだ・・んっ・・ああっ」
その度に太一が体を跳ねさせ、甘い嬌声を上げる。
「ああっ」
ヤマトの指が引き抜かれ、太一は嬌声をあげ四肢を投げ出しグッタリとフローリングの床に力なく横たわっている。その体は凄く魅了的で、ヤマトの理性を奪うのに充分な物だった。ヤマトは太一の両足の間に入ると、チャックを開け、太一の蕾に自分のを宛がうと、太一の中に挿入させた。
「んっ・・あっ・・・やっ、やまとぉ〜」
指とは比べ物にならない圧迫感に、太一は眉間に皺を寄せるが、ヤマトが律動を開始すると、すぐに甘い声を上げた。
「んっ・・ああっ・・やまっ・・・とぉ〜・・んああっ」
「たい・ちっ・・・たいち!」
ヤマトが腰を動かす度に、オイルで潤わされた太一の蕾は、ぬちゃにちゅっという卑猥な音がし、部屋に木霊するのは、太一の嬌声とヤマトの太一の名を呼ぶ声と、荒い呼吸音だけだった。
ヤマトが限界に向って腰を激しく動かし、その動きに答える様に太一も甘い嬌声を上げ、魅了的な体を撓らせて善がる。
「ああっ・・・やまとぉ〜・・・んあああっ・・・あっ、あっ、あああああああっ」
太一の体が弓なりに撓り、ヤマトのが太一の際奥に達した瞬間、ヤマトは太一の中に自分の欲望を流し込み、太一も自分の欲望を解き放つ
ヤマトが太一の中から、自分のを引き抜くと、ぬちゅっという卑猥な音がした。
「「はあっはあっはあっ」」
ヤマトはグッタリとして虚ろな目で虚空を見つめる太一の上に覆い被さると
「好きだ」
太一の耳元で呟いた。それに答える太一の声は無かったが、太一の白い手袋に包まれた両手が、ヤマトの背に回され
「こんな・事・・した・後に・言うな・・このバカッ」
太一は呼吸を整えながら、息も絶え絶えにヤマトの呟きに答えた。
二人は、ベットに移動する余力も無く、フローリングの床の上で、お互いを抱き締め合い、深い眠りについた。